澱む

県立尾道北高等学校二年  平岡 彩花

電球の光がやけに眩しく見えて、くらくらす
 る
ああ、まただ
ぎゅっと、体をまるめる
小さく、できるだけ小さくまるまって、
春を待つ動物のように、長い長い夜をじっと
 こらえる
どくん、どくん
柔らかい心臓の声が聞こえて
少しだけ安心した

深く、暗く、冷たい
そんな言葉ではとても形容できなくて
体がずしりと重たくなる
怖い、何だろう、分からない
言葉でうまく言い現せたら
いったいどれだけ楽になれるのだろう
残酷な時間の波に溺れ、のみこまれる
私の中の重たい何かが
どろり、どろりと混ざりあう
そもそも、考えなければいいんだ、こんなこ
 と
そんなこと、わかってる、そう、わかりきっ
 てるんだ
なのに

コノ澱ンダ世界カラ
逃ゲラレナイ

最後はいつも、疲れきって、眠ってしまう
気づけば、外の世界は明るくて
ああ、また、夜になれば、
あの残酷な時間がやってくる
私はただ、そのことが
どうしようもなく、恐ろしかった
どうしようもなく、恐ろしかった

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