けんみん文化祭ひろしま’10文芸祭合同大会
トップページ 事業概要 けんみん文化祭ひろしま'10 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】白井孝司 選

【川柳】「自由吟」 白井孝司 選


※コンピューター環境で表示するため横書き表記としています。ご了承ください。

【特選】

作品 地域 お名前
母子手帳我が子の歴史抱きしめる 福山市 牧本 敏秀
【評】年齢は問わず子の安否は常に胸中に秘めている母。それぞれの母子手帳も肌身離さず何度も捲る情景が目に浮ぶ。
人生はこれから緩やかなワルツ 呉市 番野多賀子
【評】第2の人生は身分相応がよい。それには、「あせらず・あわてず・あきらめず」のワルツ調が至福にも繋がる。
命名を辿ると深い父がいる 広島市 稲生 小菊
【評】昔の命名権は父にあった。姓名のもつ運命が姓名の持ち主に作用するとのことで、父の深い愛が籠っている。
目の奥の色を見分ける親心 広島市 河崎 和美
【評】子どもたちの動揺などを判断できるのは父母。未来に向かって羽ばたいてくれることを常々真摯に願っている。
グリーン車に乗り損なっている余生 府中市 藤岡ヒデコ
【評】人生振り返ってみれば、仕事に追われた年月だった。しかし、余生は考え次第で有意義に過すことは可能である。

【入選】

作品 地域 お名前
ふきの香のほのかに匂う指にペン 庄原市 山本 和佑
農を継ぐ決断を待つ種袋 広島市 河野鬼灯子
飾るもの無くて涼しい身のこなし 広島市 川手 和枝
雨靴がダンス披露の水溜まり 広島市 周藤 悠奈
凧揚げて連れも私も宇宙人 広島市 荒川 好満
跡追いは出来ぬと知った遠花火 三原市 大森 昭恵
丹精に答えて呉れる花が好き 広島市 中谷 照正
偶に持つ針で女を自覚する 呉市 平賀 敏子
果実まだ未熟に四季を駆け巡る 廿日市市 野田葉留菜
追伸に気遣う母のこころざし 廿日市市 飛田 陽子
この空気とっておきたい嬉しい日 東広島市 上野 和子
体重計ためしに位置を変えてみる 庄原市 中原 幹枝
想い出の淋しい端はちょっと切り 呉市 村田 隆子
限りある命忘れて趣味に生き 廿日市市 井上 利雄
まだ主婦の喜びを着る割烹着 広島市 楠山東石子
笹の葉に載せた願いが重すぎる 呉市 平見 光子
辛うじて残った夢が生きる糧 大竹市 池本 一成
ドーナツの真ん中にある甘い夢 江田島市 住田 照水
幸せを掴むと語尾が丸くなる 東広島市 増田マスヱ
飛びたくて風に勢い借りている 廿日市市 山本くみ子