けんみん文化祭ひろしま’13文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま’13文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【川柳】三浦宏 選

【川柳】題「鏡」 三浦宏 選


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【特選】

作品 地域 お名前
内視鏡覗いた帰途へ天高し 広島市 河野鬼灯子
【評】内視鏡を詠まれた方は少なかったが、なんと言っても下五が秀逸。「本当によかったですね」と声を掛けたくなる。
少年の鏡に写る地平線 呉市 荒新 悠子
【評】希望に溢れている少年の凛凛しさが一直線に浮かんでくるようだ。もちろん、清らかな心の持ち主に違いない。
わたしよりわたしを知っている鏡 呉市 久本 頼子
【評】長期にわたり、つきあいを重ねている鏡。もう、私のことは、私以上に知り尽くしていると言ってもよかろう。
心根のゆらぎも写す水鏡 呉市 草野 綾子
【評】水がそよ風にも揺らぐように、抱えている自分の心の不安が水面を揺らして、見抜かれはしないだろうか。
心身のメンテナンスもする鏡 広島市 河浦 邦子
【評】鏡の姿を見れば、体の好調不調や心の持ち方まで気づかせてくれるのではないか。中七が小気味好い。

【入選】

作品 地域 お名前
禅問答鏡の中の私と 竹原市 石原 淑子
眼鏡拭く用心深くなっている 呉市 三谷  登
手鏡をそっとのぞいてまだ女 福山市 前田 サキ
いつまでもバックミラーに母は立つ 広島市 周藤 悠奈
朝の鏡女は仮面作り上げ 呉市 室 伊和江
手鏡の無心に化粧する座席 広島市 吉川 徳子
素顔知る鏡に今日も見送られ 広島市 植村 和一
寝たきりの鏡に母の朝が来る 竹原市 田中 敬子
プライドが鏡の顔を信じない 呉市 福島 五郎
何もかも見せてしまった共鏡 庄原市 林  武志
鏡にも曇って欲しい時もある 竹原市 室  晃二
言い訳をじっと鏡は聴いている 広島市 大杉 幸子
本心を見抜き鏡が窘める 広島市 大杉 卓雄
お互いが鏡になっている夫婦 廿日市市 飛田 陽子
鏡よ鏡おんなは誰もナルシスト 尾道市 大本 和子
シナリオのセリフ覚えている鏡 呉市 玉理由貴美
慰めに鏡へアカンベーをする 呉市 村田 骼q
うつつ知り心の鏡曇りゆく 県立尾道北高等学校一年 窪田 志野
鏡の中自分の知らない自分がいる 県立大竹高等学校三年 山野井将大