けんみん文化祭ひろしま’16文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま'17文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【俳句】木村里風子 選

【俳句】木村里風子 選


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小・中・高校生の部【特選】

作品 学校名 お名前
海の上笑顔を咲かす花火がドン 大崎上島町立東野小学校五年 越智 桃香
【評】伝統の尺玉の花火が大きくはじけるが、最近は笑顔を表わした花火が楽しい。弾けて笑顔、次にドンが実感。
雪どけの地から顔出す命の芽 三次市立十日市中学校三年 安田 健一
【評】春近く山の雪が溶けると草木に芽が出るが、地から草の芽を見つけて命の芽という。新しい命の発見。
赤とんぼ秋のきざしを見つけたよ 銀河学院高等学校一年 池田 有里
【評】赤とんぼの習性は高原で育ち、秋が深まると里へ下りるという。赤とんぼは秋のはじまりか。
妹の小さな手からバッタとぶ 大竹市立大竹小学校六年 津藤日凪生
【評】バッタを取って妹の手に渡したが、逃がしたのであろうか。小さい手からが、妹らしさ。
赤とんぼ夕日の真っ赤にとけてゆく 福山市立中央中学校一年 後藤 涼帆
【評】夕日のなかを飛ぶ赤とんぼ、夕日の赤と赤とんぼの赤、夕日が濃くなり、夕日の中にとけると感じたのがよい。

小・中・高校生の部【入選】

作品 学校名 お名前
帰り道セミが悲しくあお向けに 福山市立中央中学校二年 奥野 光葵
桜散り水面に浮かぶ万華鏡 福山市立広瀬中学校二年 三島 丈宙
花火はね夏の夜空の万華鏡 大竹市立小方小学校四年 佐伯 駿介
水面に花火の映る瀬戸の凪 尾道市立吉和小学校五年 大森 悠南
山の上夕焼けきれいまた来よう 大竹市立大竹小学校六年 田坂 怜士
寝冷えして一夜限りの声変わり 尾道市立三成小学校六年 古川 拓弥
もりのなかおちばがおちるゆらゆらと 大竹市立大竹小学校四年 柴田 陽翔
赤とんぼゆうやけいろと同じだな 福山暁の星小学校四年 廣見 康翔
花火がねドカンとなると山ひびく 大崎上島町立大崎小学校五年 吉岡 波夏
風に乗りせみの合唱教室へ 神石高原町立豊松小学校六年 赤木  晶
雀来てせみの抜け殻つつく朝 呉市立呉高等学校二年 花岡 瑞貴
枯れ葉落ち次の季節へうつりゆく 呉市立呉高等学校二年 本屋敷美空
虹の橋空を残して消えてゆく 府中町立府中中学校三年 住井 翔馬
麦の芽の豊作祝う案山子たち 福山市立中央中学校二年 横山 幸音
上向いて水と飲み込む空の青 県立尾道北高等学校一年 山内 真奈
鳴くセミは短い命を燃やしてる 銀河学院高等学校一年 南  涼介
夕立の置き土産かな空に虹 県立三原高等学校一年 眞田  晋
風鈴の鉄やガラスの演奏会 県立三原高等学校二年 中道 萌華
稲かりだ黄色のじゅうたんかりとるぞ 三次市立作木小学校六年 守岡 大翔
風鈴に耳傾ける昼下り 県立三原高等学校一年 式部菜々海

一般の部【特選】

作品 地域 お名前
枕木のひび割れ深し秋旱 広島市 下田 敦子
【評】枕木のひびは廃線であろう。哀れでもあるひび割れが深くなっていた。秋の旱だけではない、過疎が進む。
雉子鳴きて跡形もなき生家かな 広島市 山崎 華園
【評】ふるさとの生家が絶えた悲しさ、淋しさを雉子が語っているようでもあり作者のやるせない気持もある。
蟻の列児の世は戦なきやうに 福山市 柏原 篤子
【評】働く蟻が蟻社会を営む、平和である証明のよう、人の世にも平和が続くことを祈っている。
滴りの古道に傾ぐ道祖神 広島市 岩谷 照子
【評】古道も奥の感じである。滴りが証明している。また、傾ぐ道祖神も古道の雰囲気を出している。
吹き上がる棚田の風に秋茜 広島市 藤谷 知子
【評】棚田の裾から吹きあがる風に赤とんぼが群れている。赤とんぼは棚から平地へ移るのが習性。秋も仲秋。

一般の部【入選】

作品 地域 お名前
青簾路地にかすかな囲碁の音 広島市 井原 淑子
ふる里を捨てて幾年竹の秋 庄原市 林  武志
鳴き龍を泣かせ遍路の去りにけり 庄原市 稲垣サカエ
夏草の覆ふ棚田や墓一基 三次市 林  勝子
遠雷やうずきだしたる親知らず 呉市 後藤 弘子
花蜜柑夜の帳に香を放つ 尾道市 浜本真知子
川底に今なほ瓦礫原爆忌 福山市 佐藤 浩子
コーヒー豆漉す涼しさや誤解とく 広島市 梶本とし子
さくらさくら潮の満ち来る被爆川 広島市 浦宗 禎子
原爆の傷痕残る雛調度 福山市 三反畑 弘
どん尻は孕みておりし花田牛 庄原市 永宗 敏昭
老鶯や寺領の石はみな仏 広島市 嶋治久美子
俳書より夫のメモ出づ曝書かな 福山市 小林 洋子
木彫師の寡黙に干支を彫る師走 廿日市市 浅原 民子
瑠璃光寺鎮もる塔や花の雨 福山市 坂田 尚子
涼風や赤ちやんパンダ名付け待つ 尾道市 石倉登喜子
不動尊に縋る縁日蚊を打てり 広島市 梶本 祐司
国境の島へ入港雲の峰 福山市 田村祐巳子
鰯雲牛鳴く丘に開拓碑 広島市 山田 雅子
薔薇散りぬダイアナといふ名を残し 福山市 肥後 弘子