けんみん文化祭ひろしま'19文芸祭
トップページ けんみん文化祭ひろしま'19文芸祭 文芸祭 入賞・入選作品発表 【俳句】広川良子 選

【俳句】広川良子 選


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小・中・高校生の部【特選】

作品 学校名 お名前
雲海やはるかに臨む剣ヶ峰 県立尾道北高等学校一年 小林 悠太
【評】早暁の山頂からの雄大な景観を捉えた秀句。目の前に荘厳な剣ヶ峰が浮んでくる。
トンボがね学校中を飛んでいる 廿日市市立宮園小学校四年 山住禾穂美
【評】秋晴の広い校庭にたくさんのとんぼがすいすい飛んでいることに気づき、おどろいた様子。やさしく見守っている。
羽子板の傷の多さが思い出に 呉市立呉高等学校二年 清水 真琴
【評】幼い頃打ち合って傷ついた羽子板に寄せる懐古。一つ一つの傷を思い出してなつかしんでいるのであろう。
ぎこちない制服姿さくらちる 福山市立中央中学校一年 山本 悠貴
【評】学校生活にまだ馴染めない緊張感。やがて、散りはじめた桜がやわらげてくれるだろう。
初日の出富士の頂に乗っかかる 呉市立呉高等学校一年 鳥越 敦貴
【評】富士山に眩しばかりの初日の出が昇った。一年間の瑞兆を感じさせる。

小・中・高校生の部【入選】

作品 学校名 お名前
ナイターのやきゅう楽しいえんちょうだ 大竹市立大竹小学校二年 村中 勇斗
あくしゅするおかあさんの手あたたかい 大竹市立大竹小学校三年 奥田 如華
ゆきだるまみんなでわらい完成だ 大竹市立大竹小学校四年 山口 亜子
かき氷どんどんとけてこまったな 大竹市立大竹小学校五年 倉員 佑宜
お父さんスイカの種がほっぺたに 大竹市立大竹小学校六年 馬場 甘楽
見上げれば風をのみこむこいのぼり 神石高原町立豊松小学校四年 平松 瑞希
ひまわりがぼくのせよりもたかくなる 府中町立府中北小学校一年 山田  緑
水でっぽう飛ばす先には積乱雲 福山暁の星小学校四年 花ア 浬実
綱引きや汗も力も出しきった 尾道市立吉和小学校六年 島谷 妃織
冷蔵庫何にもないのにまた開ける 広島市立江波中学校三年 大西  匠
秋近しうすくなりゆくかげぼうし 福山市立鷹取中学校一年 関藤 美遥
飛んで来た天道虫と行く学校 広島市立三和中学校三年 香浦 健太
炭の匂い今日のご飯はサンマだな 並木学院福山高等学校一年 波佐間彩夏
ひぐらしの鳴くや部活の帰り途 比治山女子中学校三年 大地 花凜
虹仰ぎ行く時計台までの道 県立尾道北高等学校一年 志賀信太郎
夕立に一人で歩く帰り道 県立尾道北高等学校一年 山根 夏生
フルートの頭部管抜く炎暑かな 県立尾道北高等学校一年 藤井 達也
春風が私の髪を揺らしてく 呉市立呉高等学校二年 伊藤真奈美
どかんとね花火一発上がったよ 大竹市立大竹小学校四年 松長 夢尋
かまきりがじいっととまってたまごうむ 福山市立広瀬小学校二年 片岡 海碧

一般の部【特選】

作品 地域 お名前
団長のてるてる坊主運動会 山県郡安芸太田町 斉藤久美子
【評】運動会の応援練習をして来た。明日の本番の天気をうらなう。リーダーとしての団長の心意気を感じる。
さあ海だ沖へ沖へと泳ぐなり 広島市 谷平 瑞代
【評】今日は日頃のプールではない。広い広い海原だ。「沖へ沖へ」が海の広さを感じさせる。
麻痺の子の踏めば落葉の音こたふ 福山市 林  すみ
【評】麻痺のお子さんの一歩一歩と落葉を踏んで、その音をよろこんでいらっしゃる笑顔と声。外遊びのたのしさ。
噴水の真白き水を青空に 福山市 嶋山 洋子
【評】夏の青空に涼しげに上がる噴水。人々の心を和ませ涼しくもしてくれる。真白き水と青空の呼応。
追悼の三十一万終戰日 福山市 廣保 久子
【評】大戦で亡くなられた尊い御霊。その御霊の多さにおどろく。今日の平和な暮しに感謝の日でもあろう。

一般の部【入選】

作品 地域 お名前
制服の踏み出す一歩新松子 広島市 天野  泰
山風を入れて鮎焼く通し土間 庄原市 家島 晶子
ドームとは永遠の語部原爆忌 福山市 小林 加悦
古扇より北斎の浪しぶき 広島市 村本クニ子
声大き母の電話や梅雨寒し 広島市 嶋治久美子
台風の岩噛む波のうねりかな 福山市 戸原 澄清
一艘のうねり切り裂く雲の峰 広島市 岡部 利行
見栄を切る子役の睨み初芝居 福山市 毛利 秀子
一瀑のあれば一景しぶきけり 庄原市 田宮美和子
はらからの声賑やかに庭花火 尾道市 村上 和子
絵は語るあの日の惨事原爆忌 福山市 来山 静子
ほたる舞ふ吾が故里は深き闇 呉市 八條 順子
踊らばや太鼓のさそふ夕厨 尾道市 浜本真知子
球場の主役は俺と盆の月 江田島市 江口 信子
牡蠣育つ湾や弥山のふところに 福山市 箱田富久恵
夾竹桃あの日が又もめぐり来し 福山市 佐藤 浩子
メロン切る今日特別な日なりけり 福山市 田 富美
苦戦する吾子の宿題夏休み 呉市 石田 留美
夕蝉や強き日差しの雨あがり 呉市 宮下  太
墓誌深くなぞる母の名蝉しぐれ 三次市 林  勝子