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【俳句】川崎益太郎 選
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小・中・高校生の部【特選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| スイカわり真っ赤な太陽まっぷたつ | 坂町立横浜小学校五年 | 北本 紀乃 |
| 【評】スイカを太陽と捉え、真っ赤とまっぷたつのリズム。裏でコロナ（太陽の炎）撲滅まで読める凄い句である。 | ||
| まだかなとワクチンを待つ夏の宵 | 県立尾道北高等学校一年 | 高橋 妃花 |
| 【評】そのままの句であるが、ワクチンを待つ若者の切実な思いが伝わって来る。今年を象徴する句である。 | ||
| コロナ禍の夏の五輪の意義を問う | 県立尾道北高等学校一年 | 松田 侑子 |
| 【評】コロナ禍で、反対の多い中、強行開催された五輪。五輪終了後の今もその意義を問い直しているという真摯な句。 | ||
| 終戦日未来永劫輝く日 | 県立尾道北高等学校一年 | 藤井 朝陽 |
| 【評】高校生にとっては、遥か昔の敗戦日であるが、未来永劫に続いてほしいという平和を希求する句である。 | ||
| 風鈴は心の中に風吹かす | 府中町立府中小学校六年 | 奥村 駿生 |
| 【評】風鈴と風の取り合せは、いろいろ読まれているが、心の中と捉えたところがユニークで上手い。 | ||
小・中・高校生の部【入選】
| 作品 | 学校名 | お名前 |
|---|---|---|
| 答案のマルが五輪に見える夏 | 盈進中学校一年 | 有田 瑛 |
| せみの声死にたくないのさけびかな | 広島市立祇園小学校五年 | 松本 和也 |
| セミの声下手くそうまい個性ある | 福山市立新市中央中学校三年 | 川上 美空 |
| 夕立ちは無口な友が怒る時 | 県立尾道北高等学校一年 | 野口奈々桜 |
| 夕焼けは雲の火遊びきれいだな | 広島市立三和中学校三年 | 増田 康志 |
| 答案や赤いドレスに更衣 | 呉市立呉高等学校二年 | 小田 優衣 |
| たけのこのつので畑が鬼の里 | 府中町立府中小学校四年 | 永濵 晴葵 |
| 天の川はかない恋がながれてる | 広島市立祇園東中学校三年 | 福光虎大郎 |
| 稲妻が季節の変わり告げてくる | 呉市立呉高等学校一年 | 前田 脩登 |
| かれた葉は落ちているけどがんばった | 府中町立府中小学校六年 | 森本 太洋 |
| 夏休み書く事がない俳句だな | 県立三原高等学校一年 | 内田 遥斗 |
| この夏はオリンピックで大さわぎ | 福山暁の星小学校三年 | 内海 晴日 |
| 夏休みゲームしすぎてバカになる | 福山市立城北中学校二年 | 川﨑 翔太 |
| 七夕にどしゃぶりもしや離婚した？ | 県立三原高等学校二年 | 永江 真帆 |
| 浴衣着た君の背中は恋しくて | 呉市立呉高等学校一年 | 山西 芹莉 |
| かたつむりせ中のうずまきなにぬねの | 東広島市立吉川小学校二年 | 宮迫 諒也 |
| カブトムシ三密避けて蜜を吸う | 福山市立城北中学校一年 | 安中 一集 |
| たんぽぽの白いわたげの親離れ | 広島市立祇園東中学校三年 | 吉野 光翔 |
| 光熱費夏の暑さが身にしみる | 県立三原高等学校二年 | 飯島 彩加 |
| ゆらゆらと波の合間にクラゲ密 | 福山暁の星小学校六年 | 西原 宏紀 |
一般の部【特選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 鳥雲にピエロの詠みし恋の詩 | 尾道市 | 前中 吾一 |
| 【評】恋の詩は成就しないことが多い。ピエロが詠めばよりそう感じるが、儚い季語に、現実味と願望の強さが読める。 | ||
| 主夫歴の凹みの砥石鱧の皮 | 福山市 | 瀬尾ちとみ |
| 【評】主夫歴の長いことを砥石の凹みと表現し、鱧の皮という男料理と上手く取り合せた。主夫の悲哀も読める。 | ||
| マンボウは魚類ではなし春了る | 広島市 | 橘 しのぶ |
| 【評】マンボウは、コロナの蔓延防止法の略で、魚のマンボウと揶揄された。コロナ禍の現状を上手く俳句に仕上げた。 | ||
| 放棄田の神はいづこへ夏来る | 広島市 | 細木 復恵 |
| 【評】高齢化で放棄田が増えている。田にいると言われている各種の神様は、どこに行ったのかという俳味溢れる句。 | ||
| 八月や暦重しと垂れ下がる | 三次市 | 前原 俊五 |
| 【評】八月は大きな不幸な出来事が多く、忌日の月とも言われている。〈暦重し〉が上手い。本当に重たい月である。 | ||
一般の部【入選】
| 作品 | 地域 | お名前 |
|---|---|---|
| 紫蘇を揉む明日も働く手を染めて | 福山市 | 榊原 素女 |
| ワクチンを二度打つまでは蝸牛 | 広島市 | 川崎千鶴子 |
| かなかなの啼きに来てゐる学徒の碑 | 広島市 | 大林 實 |
| 星流れ親しき人の減るばかり | 福山市 | 箱田富久恵 |
| 混乱のワクチン接種蝉しぐれ | 広島市 | 岡田 郁枝 |
| 紫陽花や大きく丸い母心 | 呉市 | 坂本 紘子 |
| 天高し明日が来る事疑はず | 山県郡安芸太田町 | 斉藤久美子 |
| 柳絮飛ぶ川底砂の見た被爆 | 広島市 | 若宮 直美 |
| 万愚節誤診と言はれたきものよ | 庄原市 | 新宅 涼枝 |
| この川になにを流すかヒロシマ忌 | 広島市 | 村本クニ子 |
| 点滴にしばられて見る帰燕かな | 福山市 | 津田 重子 |
| 忘れ去る来し方もあり蝉の穴 | 尾道市 | 松井多嘉子 |
| 雲の峰兵学校は海へ向く | 広島市 | 折田 英男 |
| 残り香のまだ湿りゐる蝉の殻 | 福山市 | 山本 昭夫 |
| 晩年の夢揺れやすき藤袴 | 山県郡安芸太田町 | 小西佐和子 |
| 花火の輪契る二人と祖母の庭 | 広島市 | 日置 貴祇 |
| 織り姫にハヤブサ飛ばし逢瀬する | 福山市 | 浜田 光夫 |
| 光芒の先に夢あり冬の海 | 東広島市 | 香川不可止 |
| 夕暮れの光る稲穂が波のやう | 広島市 | 奥田 政美 |
| 露草や母のじまんはうまき飯 | 広島市 | 橋本 静子 |