【団体の部】
広島平和美術協会(美術)(広島市)
1955年の原水爆禁止世界大会に合わせて開催された「広島平和美術展」をきっかけに、柿手春三(初代会長)、四國五郎など被爆者の画家と被爆地広島に心を寄せる人たちによって同年に設立され、現在、約200名の会員で構成される。
創設以来、被爆地広島で平和希求の熱い思いを創作活動で表明する場を担い、1968年からは「広島平和美術展ニュース」の発行を開始。1994年の広島アジア競技大会の際には芸術展示に参加し、1995年の被爆50年には全国38都市の「平和美術展」の作品を招待したほか、1998年広島・長崎平和美術協会の交流美術展をアメリカ・ニューメキシコ州で開催しその後10年近く交流するなど、美術を通して国内外と交流し、平和学習に協力するなど数々の社会教育活動を行っている。
審査や賞を設けないアンデパンダン方式を採用し、原爆の日の前後に多様なジャンルの作品を出品する総合美術展として開催。収益は平和維持活動に寄付し続けており、2024年からは高校生の出品料を無料化するなど、若い世代を含む幅広い人々に発表の場を提供している。
〈受賞コメント〉
71年間広島平和美術展を開催し続け、地道に継続してきた活動が広島文化賞によって評価されたことは光栄の至りであります。この賞は、すでに故人となられた創立者や継続発展されてきた先達方にも与えられるものであり、私たちは信念を受け継ぎ、次世代へとバトンを繋ぐ覚悟と勇気を頂きました。