●日時:2025年2月1日(土)13:30〜17:00(曇りのち雨)
●場所:広島県民文化センター 展示室
●ファシリテーター:
石川清隆さん
(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科(GA)特任助手、ワークショップデザイナー)
●事例紹介:
端野真佐子さん
(NPO 法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)、コーディネーター)
●事例体験:
広島手話劇団「伝」〜手話劇「手紙」の一場面上演〜
●参加者:26名
●スケジュール
13:30〜14:00 オリエンテーション
14:00〜14:30 事例体験:広島手話劇団「伝」の取り組み
14:40〜15:20 紹介事例:NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク
15:20〜15:50 クロストーク
16:00〜17:00 グループワーク
参加者募集案内はこちら
今回、舞台手話通訳や字幕、音声ガイドといった鑑賞サポートの取り組みや、その担い手育成について学び、2025年夏の上演に向け現在制作中のろう者・聴者による手話劇の一場面の体験を通じて、障害の有無にかかわらず誰もが舞台芸術を楽しめる鑑賞サポートについて理解を深めました。
◆オリエンテーション・ワーク
昨年8月に続き、今回もファシリテーター石川さんによるスケジュールやテーマの確認からスタートしました。
参加者は文化施設職員、劇団員、要約筆記者など多彩な顔ぶれ。小グループに分かれて自己紹介や参加動機を共有し、和やかな雰囲気の中で研修会が始まりました。
◆事例体験:広島手話劇団「伝」の取り組み
手話劇「手紙」の一場面を鑑賞・体験しました。舞台上では登場人物のセリフがすべて手話で表現され、舞台下から声で内容が伝えられます。
体験前には、広島手話劇団「伝」の蔵本さんから、作品の特徴や工夫について説明がありました。物語は、被爆したろう者の証言や差別の実態など実際の出来事を基に構成されていることも紹介されました。
◆紹介事例:NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク
端野さんからは、海外公演の事例や、国内での字幕・音声ガイドの実践について紹介がありました。
単なる字幕や音声ガイドにとどまらず、広報や当日案内の工夫、鑑賞サポートを担う人材育成まで、幅広い取り組みが紹介され、誰もが楽しめる公演づくりのヒントを得ることができました。
◆クロストーク
手話劇「手紙」の作・演出を手がけた仲川さんも加わり、石川さん、端野さんとの3名によるクロストークが行われました。
その中で、舞台手話通訳は「情報を補う」だけでなく、舞台演出そのものに深く関わっていることが語られました。
◆グループワーク
最後に、参加者同士で研修を振り返り、気づきや新しい発見を共有しました。
■参加者の感想
・舞台手話通訳者ということを初めて知りました。
・舞台手話通訳のいるステージと手話劇の表現や考え方の違いがあること。様々な表現があって良いなと思いました。
・形式的に準備するのではなく、求められているサービス内容をもっと細かく把握して対応する必要があることが分かった。
・いろんなヒントをたくさんいただきましたし、「伝える」という根本的なことを考えさせられました。職場でも共有したいと思います。
・こういった環境が初めてで戸惑う部分が多かったですが、初めて知ることがたくさんあり、充実していました。
・国外での情報保障の取り組みの紹介が興味深かったです。またそこへたどりつくまでの経過が知れたらもっと参考になると思いました。
・情報保障をめぐっていわゆる当事者の方々とお話をしたり、自分自身が知らない言語(手話)で展開される劇を鑑賞し逆に自身が当事者でもあることに気づかされたりと有意義だった。